円満相続ノウハウ集
第7回
「残されたペットの行く末は・・・・・・」
「ペットのための遺言書・身上書のつくり方」
著者 高野瀬 順子
発行 創森社
定価 本体900円+税
を見つけました。
表紙のカバーに「この本は、万が一、もしもの場合に備え、遺言書を作成しておくことによって“うちのコ”の命と幸せをまもるためにつくりました。また、書き込み式の「身上書」コーナーは、それを書くために家族全員で“うちのコ”を観察することで、よりそのコに対する理解を深める目的もあります。どうぞお役立てください。そして、すべての“うちのコ”“家族の一員”が幸せな生涯をおくれますように・・・・・・」とあります。
ペットの域を超えた、大切な家族の一員となった“うちのコ”に願うのは、自分の亡きあと、「幸せに天寿をまっとうさせてあげたい」ではないでしょうか?
この本は、残されたペットが困らないように、前もって飼い主候補を決め、遺言書を作り、その人に“うちのコ”の将来を託すためのノウハウがわかりやすく書かれています。
◎遺言書の種類とつくり方
◎受贈者(お世話を引き受けてくれる人)にかかる相続税について
◎前もって飼い主候補を決める際の注意点
◎身上書のつくり方の例
・ かかりつけの動物病院
・ 行きつけの美容院
・ 現在の飼育環境
・ 既往症(いままでにかかった病気)について 現在治療中の病気
・ 亡くなった際の希望
などなど
新しい飼い主となる方へのアドバイスなどこと細かです!「あなたの大切な家族の
一員のために、あなたの幸せのために、どうぞこの本をお役立てください。そして
すべてのペットが、幸せに天寿をまっとうできますように。」(本書より)
第6回
「遺言書の必要性」
非嫡出子がいる場合には、必ず遺言書を書く必要あります。非嫡出子は法定相続分の2分の1を取得する権利を持っています。認知していないから大丈夫だろうと放置していてはダメです。認知していなくても、戸籍上は子供でなかっても、亡くなったあとでも、証拠を出してきたら認知請求が成立します。多くの場合、配偶者と非嫡出子との間には、愛憎劇が根深いものになっており、より相続問題が根深いものになっています。
財産の分割終了後に、認知請求されるケースもときどきあります。こうなればドロ沼状態です。専門家と相談して、文字通り、自分でまいた種は自分で刈り取るしかありません。
遺言書を書けば相続問題は大部分解決しますが、片寄った財産分けをすると遺留分問題というのが発生します。後々しこりが残り、また家庭が崩壊してしまう場合があります。たとえわずかでも、遺留分より少なくても、財産分けしてさえいれば、問題が表面化することは少ないでしょう。
ふつうの人にとって遺言書を書くということは、難しくて面倒くさそうに思えるかもしれません。どうしたらいいんでしょう。実はカンタンなんです。
専門家、弁護士とか税理士とか司法書士に相談して自分の考えを伝えればいいのです。家をどうする、預金をどうするとか、専門家はそれを聞いて公証人役場と打ち合わせをして遺言書を作ります。用意するものは、印鑑証明とか、実印とか、戸籍謄本、不動産の謄本とかいったものです。これも邪魔くさければ公証人役場が取り寄せてくれます。
あとは約束の時間に公証人役場に行けばいいだけです。そこにはもう遺言書が出来ていて、その場で読み上げられます。内容に問題がなければ本人が自分の名前をサインするだけです。これで遺言書は完成です。
さて費用は、財産の額によりますが、一般の人は20~30万、多い人で50万円ほどです。この額が多いか少ないかはその人の受け取り方ですが、貴重な財産と家族の行く末を決めるものですから、こういう費用を惜しんだり躊躇して大局を見失うようでは困ります。
さて、相続のとき、いざその遺言を実行するとき、遺言執行人は誰がなるんでしょう。遺言書を書くときに、遺言執行人を一人決めます。それは家族でもいいのですが、できれば専門家が執行人になってもらったほうがいいと思います。初めての人が遺言を実行するのは大変です。預金や不動産、株式の名義変更とか役所の手続きなど相当時間がかかります。生まれて初めての経験ですから右往左往するのも当然です。また、他の相続人に連絡したり、調整したりするのも相当楽になります。これも報酬を伴いますが僅かな金額を惜しんで手間暇かけるのもいかがなものかと思います。
それと誰がお墓を守っていくのかも重要になってきます。専門用語では祭祀の承継といいます。具体的には法要を取り仕切ることです。これも遺言書で指定してもいいし、相続人の間で協議してもいいですね。お墓を守っていく費用で揉めることが時々あります。こんなことで揉めるのもいかがなものかとおもいますけどね。
また、お墓を守る人がいなくなる場合は?遺言で遺言執行人に、お寺に永代供養料を払ってくださいと書いておけば実行してくれます。
第5回 2008.09.20
「遺言書を書くこと」の意味
相続は争続ともいわれるくらいで、なかなか話合いで決まるものではありません。
円満な相続をおこなうためには遺言書は欠かせません。
例えば、相続財産のなかで大きなウエイトを占めるのが不動産です。これを何人かの相続人で話し合って均等に分けるのは不可能です。ご自分が亡くなった後、残された家族がどうなるか、現実に即して考えてみてください。
夫なら妻の老後の安定を考えるのがまず当然です。財産のすべてを妻に相続させるというような意思を伝えなければなりません。口で言っただけではダメです。はっきりと遺言書に残すべきです。
家族へ残す最後の手紙です。妻への感謝の気持ち、子供たちへはお母さんを大切にしてくれ、と思いを率直に書けばいいのです。
遺言書は、財産分けだけでなく、自分の思いを付言に書くということも立派な相続対策です。子供には遺留分という権利が確かにありますが、本人が請求しなければ発生しません。遺言書があれば、精神的な歯止めになると思います。請求したとしても、法定相続分の半分です。子供たちはゼロであっても、母親からいくらかの金品を渡すというようなケースもあります。
父から母への相続の場合は、このようにあまり問題にはならないと思いますが、母から子への相続の場合はどうでしょう。親がいなくなり、子供だけとなったときは、子供にとっては最後の財産分けのチャンスです。もめることは必至です。母から子への場合は、絶対遺言書が必要です。迷っても、多少の不公平があったとしても、お母様は遺言書を書いていただきたいのです。何も書かないで、任せるとか、良きに図らえとか言うのは、ケンカしろと言っているのと同じです。
さて、子供がいない夫婦の場合、全財産を妻へ相続させるという遺言を残せるのでしょうか? 法律では、親には遺留分があるが兄弟姉妹にはありません。子供のいないご夫婦の場合は必ず遺言書を書いてください。配偶者の兄弟姉妹や甥姪が財産よこせと言ってきたら面倒です。
また、最近では離婚や再婚が増えてきて、相続も複雑になってきています。離婚して再婚するとものすごく複雑になってしまいます。前の婚姻でできた子供も、新しく結婚してできた子供にも平等に相続権が発生します。相続権は血がつながっている以上、離婚や再婚をしても子や孫にはその権利があります。
このような場合は、誰に相続権があるのか、きちっと整理しておかなければなりません。事前に専門家に相談して、生前贈与等方策を考えて子や孫が争わないようにしておきましょう。先送りは絶対ダメです。なんとしてもご自分が生きている間に、問題解決を計りましょう。
第4回 2008.09.10
「介護と相続の関係について②」
老親からしてみると、財産を誰に相続させるか、誰に介護してもらうか、が最大の悩みです。
介護は長期にわたることが予想されます。資金の確保と管理をきちんとしてください。介護する人は、肉体的、精神的、経済的にも大変な負担となります。感謝とねぎらいの言葉をかけてあげてください。
ある女性の遺言書に書かれた付言をご紹介します。
「私がこの遺言をするに至った理由についてお話します。
長男の良夫と嫁の正子には私の身辺を最後まで看てくれたことに感謝します。特に正子には言葉に言い尽くせない程世話になりました。
正子さんありがとう。長い間苦労をかけました。これからも山本家のためにあなたが中心になってください。あなたならきっとできると思います。本当にありがとうございました。
この遺言で、私の財産を主として長男良夫に相続させることにしたのは、良夫と正子に対する感謝と報酬としての気持ちです。
次男の次郎と妹のさつきは幸い家庭生活も安定しており、安心しております。二人には、家を建てる時にそれなりの資金を贈与しております。この遺言に対して不平不満を言わずに、長男良夫夫妻に協力して山本家を支えてください。親の遺志に対して不平不満を言う子供達でないと信じております。
これからも兄弟仲良くお互い助け合って生きていってください。お父様もきっとそう願っていました。・・・・・・」
見事な遺言ですよね。介護してくれた人に感謝の気持ちをしっかり伝えています。
弟や妹もこういう遺言があると納得すると思います。円満相続をむかえるためのひとつの条件かもしれませんね。
第3回 2008.08.27
「介護と相続の関係について」
相続の中心は、妻であり、嫁であり、娘である女性だと思います。
相続財産の4分の3は女性が取ると言われています。すなわち親が亡くなったときに4分
の1(子供が二人の場合)、夫が亡くなったときに2分の1もらう。
デパートのお客様の中心は女性であるといわれています。イソップのアリとキリギリスのようなもので、男はコツコツとアリのように財産を貯え、女はそれをキリギリスのように消費する。こんな構図でしょうか。
本題に戻します。
介護は経験してみないと分からない大変な重労働です。
介護をしてもらう人は、遺言書には、介護をしてくれた人への感謝とねぎらいの言葉を添えるとともに、財産分けをすべきと思います。
また、仕事があったり、遠方にいて介護ができない人は、介護をしてくれている人にできる限り協力し、感謝とねぎらいを忘れないように心がけたいものです。「お世話になります。」「ご苦労様です」「ありがとうございます」と、心をこめて何度でも言ってほしいものです。
介護問題が引き金になって相続がもめることはいくらでもあることです。
介護している人に絶対言ってはいけない言葉・・・
「私は家を出たんだから・・・」「私には仕事があるから・・・」
「子供が受験で・・・」「病気がちだから・・・」「見舞いに行くにはちょっと遠いから・・」
義務については、旧民法の家督相続制度を持ち出し、権利については、新民法の法定相続分を持ち出す「いいとこ取り」をしようとする人が多いのも事実です。
「同居していた者が面倒見るのは当然だろう。ずっと家賃はタダだったんだから。俺たちは家賃やローン払ったり、で大変なんだから・・・」売り言葉に買い言葉、収拾がつかなくなります。相手の立場になって、発言したり、行動するのが大人の対応です。
第2回 2008.08.20
「みんなが納得できる相続を実現させるには?」続編
人生後半の最重要課題は、相続問題だと言っても過言ではないと思います。
45歳あたりを過ぎると結婚式よりお葬式に出席するほうが圧倒的に多くなるのではないでしょう
か?
また、親の健康が気になり出すのもこの頃でしょうか。相続問題も親の介護から意識し始める
ことが多いようです。
―親は死をもって人生を語る―
子供は、親から、老いること、病気になること、死することを学び、そして改めてその存在の
大きさを知るのです。
また、お葬式を通して、親戚とか地域とのかかわり方を学ぶのです。
毎年の墓参りとか一周期とかの法要は、家族の絆を深める大切な行事です。その重要性を再認
識するときでもあります。
自分の子供たちも、親がどういう生き方をするのか、その後ろ姿を見ています。手を抜いては
いけません。
相続は、介護などから解放され、人生の再スタートを切るチャンスでもあります。
相続財産の多寡にかかわらず亡くなった方への感謝の気持ちを忘れずに、前向きに生きていって
いただきたいと思います。マイナス思考だと立ち直れません。
第1回 2008.08.07
「みんなが納得できる相続を実現させるには?」
「相続争いなんて、うちに限って…、財産もないし、仲もいいし、そんなこと起きないよ。」
実際そうでしょうか?
親または夫がいるときは仲のいい家族だったのが、大黒柱が倒れたら、心の準備や法律的な準備がな
いまま、まるで舵のない船のように彷徨ってしまうケースがよく見受けられます。
財産が多い少ないは関係ありません。相続は親子・兄弟の問題であるが故、遠慮がない分大きくもめる
ことが多いようです。
「相続は、人生で6回体験する」と言われています。
自分の両親、配偶者の両親、配偶者、そして最後に自分(相続させる立場)
特に女性は四つの顔(娘として、嫁として、妻として、母として)で、法律的な問題以外にも、介護・葬儀・法要など多方面から相続を体験すると言われています。女性の人生後半のテーマは相続かもしれません。
一方男性は? 仕事が忙しいとか時間がないからと逃げてはいませんか?仕事は、家族より大事ですか?子供として、夫として全面的に協力しなければいけません。男として、強さと優しさが端的に表れる場面です。そして自身については、遺言書を通して、自分の意思をはっきり伝えることが義務であると思います。
さて、今回のテーマ「みんなが納得できる相続を実現させるには?」どうしたらよいでしょうか?
相続税の大御所、本郷尚先生のお言葉を拝借します。
第1段階(相続前)相続対策をしっかり行なっておくこと。
遺言書の作成、資産家ですと相続税節税対策
遺言は書かないとダメ、言っておくではダメ、余計にもめるだけ
第2段階(相続後)財産分け、名義変更、相続税申告
遺された者は、親からもらったことに感謝して、多少の不満があっても、譲り
合って、後々兄弟円満にやっていくことを心掛け、早く決着をつけること。
家族の絆をより深めるためには、お互いを思いやり、譲り合う精神が一番大
切である。